UV印刷トラブル問答

1.硬化不良

No. 項目 方式・タイプ 現象・状況 解説 原因区分 対策
101 硬化不良 ランプが点かない。 全システム ランプ交換、ランプ点検しても点灯しない場合、電気系統のトラブルが考えられる。 ランプ不良 ①ランプメーカーに相談する。
102 硬化不良 全システム ランプは点灯しているがインキが乾燥しない。※主因がランプ関係のトラブル。 A) ランプ、ランプハウスが汚れている。B)ランプの使用期限超過。(UVランプは蛍光灯とは異なり、ランプが点灯していても紫外線量は徐々に低下している。)C) 出力設定の不備。 ランプ整備不良、ランプ光量不足 A)-①ランプ、ランプハウスを清掃する。B)-①ランプを交換する。C)-①ランプ出力を上げる。②灯数を上げる。③スピードを落とす。④インキ盛りを下げる。⑤硬化性を重視したインキタイプに変更する。
103 硬化不良 全システム ランプ交換時、UVインキの乾燥が悪くなった。 別のランプに交換すると正常に硬化する場合はランプ初期不良が考えられる。 ランプ初期不良 ①ランプメーカーに相談する。
104 硬化不良 全システム LEDランプ、省電力システムにてUVインキが乾かない。 ①各省電力システムに合ったインキを使用していない。→ インキタイプの選択ミス。②各省電力システムに合ったインキを使用している。→ インキ盛り過剰などその他の要因。 インキ選択ミス
インキ量過多
①適応したインキを使用する。②硬化不良(盛り過ぎ)の項(№108)を参照。
105 硬化不良 全システム UVインキ用以外の添加剤の添加で硬化が悪くなった。 UV用添加剤以外のインキ添加剤は硬化阻害を引き起こすため。 添加剤選択ミス ①UV用添加剤を使用する。
106 硬化不良 全システム UVインキ用添加剤を多量に添加したため硬化が悪くなった。 UV用添加剤を使用しても過剰に添加するとUV硬化性が低下するため。 添加剤過剰 ①レジューサー、コンテックスなどの添加量を守る。
107 硬化不良
印刷不良
(汚れ)
全システム 版胴やブラン胴をUV用洗浄液で洗浄後、インキが乾かなくなったり、再スタートした際に汚れが発生した。 洗浄後にトラブルが発生した場合には洗浄液が残っていた可能性が高い。UV用洗浄液はUVインキ成分とは関係のない水溶性溶剤であることが多く、地汚れや硬化阻害の原因となる。 洗浄不良 ①洗浄後、洗浄液が機上に残っていないことを確認してから印刷する。
108 硬化不良
(盛り過ぎ)
全システム 4色重ね、墨インキの2度刷りなどインキ盛りが多い状況でインキが十分に乾いておらず、現象としては密着不良、スクラッチ不良や耐摩擦性不良等としてトラブルが発生する。 紫外光が十分に下まで届いておらず、硬化していないために発生する。普通の密着不良との差異は普通の密着不良が薄盛りや淡色部分でも密着不良となるのに対し、硬化不良による密着不良はその場合には密着することから判別できる。→ 光(紫外線)を透過させ難い墨インキで起こりやすい。→ 使用紙にも注意が必要。キャストコートのようなセット乾燥性の早い用紙で起こりやすい。 盛り量過剰
原反特性
①適正なインキ盛りにする。②1度で印刷せず、2回刷りで印刷する。③コンクタイプを使用する。④硬化性又は密着性を重視したインキタイプに変更する。⑤使用紙を変更する。⑥メジウムなどで目止めする。(原紙吸込みの影響の場合)
109 硬化不良 オフセット
コーターニス
咥え側(~5cmくらい)の乾燥が悪い。 咥え側はインキ爪などが影となり、十分に紫外線が当たらないことがあり、硬化阻害を受けやすい。 機械設定 ①ランプ取り付け位置の変更。②爪形状の変更。③インキ、ニスを乾燥能力の高いタイプに変更。
110 硬化不良 オフセット インキの過乳化によって硬化不良が発生した。 インキ中に取り込まれた湿し水もインキ硬化の阻害要因となる。特に絵柄が少ない場合や非吸収紙印刷で起き易い。→ 印刷不良(乳化)の項を参照。 湿し水量過多
インキ量過多
①印刷不良(乳化)の項(№411)を参照。
111 硬化不良 凸版
フレキソ
マージナル部分が硬化しておらず、擦れる。 絵柄部分と比較してマージナル部分はインキ盛りが多くなっていることが多いため、硬化不良となりやすい。 インキ盛り過多
印圧過剰
①硬化不良(盛り過ぎ)の項(№108)を参照。②印圧を軽くして、マージナル発生量を低減させる。
112 硬化不良 凸版
フレキソ
UVインキ印刷の次にUVカチオンニスを印刷したところ、カチオンニスが乾かない。 下地インキが十分に硬化していない場合、インキ中のラジカルタイプのアミン系増感剤が接触してカチオンニスの禁止剤として作用したため。 硬化不良
インキ選択ミス
①下地インキを十分に硬化させた後、ニス印刷を行なう。②アミンフリータイプの下地インキを使用する。
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