UV印刷トラブル問答
No. | 項目 | 方式・タイプ | 現象・状況 | 解説 | 原因区分 | 対策 |
301 | インキ不良 (ゲル化) |
全システム | 保管していたインキが硬くなっている。 | インキの増粘、ゲル化。基本的にUVインキは紫外線のほかに触媒や熱により硬化する性質がある。特に湿し水や紙粉などの異物が混入したものやシルバーなどの金属粉インキは起こりやすく、メタリック特色インキはさらに問題となりやすい。 | インキ不良 保管条件 |
①保証期限外のゲル化したインキは廃棄する。期限内にゲル化した場合にはインキメーカーに相談する。②異物混入の恐れのある印刷残肉は廃棄する。③メタリック系は冷蔵庫保存を推奨。④メタリック特色インキはなるべく直ぐに使い切る。 |
302 | インキ不良 (色調変化) |
全システム | 自社にて特色を作成、インキで保管していたが経時により色調が変化していた。 | 顔料の性質による。耐性の弱い金赤、ファナール系インキや蛍光インキを使用するとUVビヒクルの影響で変退色する場合があるので注意が必要となる。特に補色に使用するインキには注意すること。 | 顔料特性 インキ選択ミス |
①耐光性インキを使用する。特に5%以下の補色に使用する際は超耐光性以上のクラスを用いる。 |
303 | インキ不良 (流動性不良) |
全システム | インキの流動性が悪く、壷上がり状態になる。 | UVインキは組成・設計上、他のインキと比較すると流動性が悪く、壷上がり現象となりやすい。特にオフセットの場合、乳化現象でより悪くなる場合があり、注意が必要。 | 流動性不足 | ①使用前に良く撹拌する。②レジューサーなどで粘度を下げる。③アジテーター、ミキサーなどを設置する。④インキメーカーに相談する。 |
304 | インキ不良 (分離) |
フレキソ | UVフレキソ白を使用中、インキ缶の底に顔料が溜まっていた。 | 低粘度のフレキソインキは顔料が分離しやすいため。特に顔料比重の大きい白インキは注意。また、比重の小さい添加剤などが分離することがある。 | インキ使用方法 | ①フレキソインキを使用する際は、必ず事前に缶を振るなどして十分に撹拌してから使用すること。 |
305 | インキ不良 (蛍光インキ増粘) |
蛍光Pシリーズ | 保管してした蛍光インキが硬くなっている。また、蛍光Pシリーズと一般UVインキを混合した特色インキの使用残を保管していたところ、硬くなっていた。 | 蛍光Pシリーズの場合、組成的に油性蛍光ベースを使用している関係上、UVビヒクルとの相溶性に難があり、増粘しやすい傾向にあるため。ただし、通常のUVインキのゲル化と異なり、再調整で再生可能となる場合が多い。 | 相溶不良 | ①硬くなった蛍光インキは専用のレジューサー(UV蛍光レジューサー)を使用して十分に撹拌することで使用可能となることが多い。(それ以外はインキメーカーに相談する。)②特色インキを作成した場合はなるべく使い切ること。 |